『生き延びるためのラカン』(斎藤 環、筑摩書房、2012年)

2015年6月16日の読書記。「ママのかわり」の「言葉」を見つける旅に出てみようかなって思う。

「小さい子はだいたいそうだけど、ママがそばにいないと、不安で泣きだ出しちゃうでしょう? あれは、『眼にみえないものは存在しない』っていうのが、子どもの世界のきまりだから。それがどうして平気になるかというと、『ママのかわり』をみつけるから。たとえばライナスの安心毛布なんかが良い例だ。でも、究極の『かわり』は、やっぱり『言葉』なんだね」(斎藤環『生き延びるためのラカンちくま文庫、2012)
言語によって社会ができているということを、こんなに短い言葉でうまく言えるなんてすごい!斎藤環は、「知的に早熟な中学生」を基準にして、この本を書いたようだが、知的なことに怠惰な中高年のワタシのような人にでも、解るように書いてくれたような気がする"(-""-)"。
こういう本は編集者の力なのかな。出版文化の奥深さを感じた。後退させてはいけないと思う。日本の出版文化を。