「人体には直ちに影響はありません」?

「人体には直ちに影響はありません」ご存じのように放射性物質は身体に入ってから、いつ、どのような影響がでるのかわからないところが恐ろしいのです。つまり、問題は「長期的に影響がでる」ということであるにもかかわらず、これを言い換えて、「直ちに影響はない」とまったく逆の方向へと言い換えているのです。このようなものを私は「原子力安全欺瞞言語」と呼んでいますが、まさしく原発とは「東大話法」によって生み出された欺瞞の象徴であって、その歪みのゆえに起きたのが、福島第一原発の事故だったのではないでしょうか。つまり、原発とは「東大話法」によって生み出され、「東大話法」によって崩壊し、今度は「東大話法」によってその事実が誤魔化されようとしているのです。(安冨歩 『もう「東大話法」にはだまされない 「立場主義」エリートの欺瞞を見抜く 』